冬場のライダー必須装備であるハクキンカイロ と、冬場のチャリダー必須装備であるスパイクタイヤ。変態糞根雪がさっぱり融けないのでインプレしてみたゾ。
ハクキンカイロ
使い捨てホッカイロくんとはダンチの熱量であるハクキンカイロ 。
しかし火口や使い方によってはクソザコ火力になってしまう点や、火力が弱い類似品対策も紹介するゾ。
そもそもハクキンカイロとは
ハクキンカイロは、ベンジンの気化ガスがプラチナと接触して発熱する科学原理によるもので、直接ベンジンに火をつけているわけではありません。マッチやライターを用いるのは、プラチナの接触反応を開始させる温度を与えるためです。
気化したベンジンがプラチナの接触作用により「炭酸ガスと水」に分解され、そのとき発生する酸化熱を応用した、環境にとても優しい、安全でクリーンなハイテクカイロです。
要は燃料が気化して白金(プラチナ)が入った火口で燃焼反応しているそうだ(曖昧)
燃焼と言っても火が出ているわけではなく、暗闇で火口を見ると微妙に赤く燻っているだけ。低温やけどには注意だが、直接素肌で触らない限りは火傷する事はまず無い割と安全なカイロだゾ。
ちなみにクソ寒い中野宿する際に、ハクキンカイロを3個抱えテントで一晩明かしても、一酸化炭素中毒や酸欠で死ぬような事は無かった(実体験)ハクキンカイロも酸素を必要とするけど、人が呼吸で消費する量に比べればずっと少ないそうだ(適当)
類似品買っていいんすかね?
好きなの買え。ただし火口はハクキンカイロの純正火口 に交換しよう。
正規品のハクキンカイロ以外にも、ZIPPO製やkawasaki製と類似品が色々出ているけど、実は見た目と大きさが違うだけでパーツや燃料はほぼ共通。唯一違うのはハクキンカイロの発熱量を決める火口(の中に入っている触媒)と言うパーツのみ。
オートバイで言うと点火プラグの様なパーツで、ハクキンカイロ製の火口・触媒はイリジウムの如く相当な発熱量を誇るが、類似品の火口は安物中華プラグの様にぬるかったり着火し辛いのだ。
ハクキンカイロの火力を高める
火力を高めると言うか、本来の火力を引き出す方法。
購入した当初のハクキンカイロは、例えると180kmリミッターが掛かっているが如く発熱が少なく、ぬるい場合が多い。その原因はだいたい2つあり、一つは燃料を入れる中身の綿がはみ出てしまい、燃料が気化し辛くなっている事。二つ目は類似品のクソザコ火口・触媒が付いている事だ。
エンジンの調子を語る際は「良い混合気・良い圧縮・良い点火」と言われるが、ハクキンカイロでは「良い隙間・良い火口・良い燃料」である。
まず一つ目は簡単に解決できる。
燃料を入れる箇所を見てほしい。購入当時は中身の綿がぎっしり詰まっている事だろうが、実はこの状態だと火力が落ちてしまう。
何故かと言うと、ハクキンカイロが発熱するためには燃料を気化させる必要が有り、燃料を効率よく気化させるためには、ある程度の空間が必要になる。ぎっしり綿が詰まっていると気化する隙間が確保できず、効率よく燃料が反応しなくなりボアダウンの如く発熱量が落ちてしまうのだ。
なのでボアアップするイメージで、割り箸か何かで綿を中へ押し込んでやろう。
こんな感じに程々の隙間が出来れば完璧だ。
次に二つ目。
これは類似品には火力が弱いクソザコ火口くんが取り付けられているため、火力が弱い事が原因だ。対処法としてハクキンカイロの純正火口 口に交換する事。火口は共通規格なので、ポン付け出来るゾ。
類似品火口か、ハクキンカイロ純正火口かを確かめる方法は簡単で、火口の色を見てみよう。
黒いのがハクキンカイロ純正・未使用の火口。つよい(確信)
白っぽいのが類似品の火口。よわい(確信)
ハクキン(白金)と言う名前から白っぽいイメージが有るけど、ハクキンがたっぷり入った火口は黒っぽい色なのだ。松崎しげるかな?
また着火させる際も、純正で寿命が十分に残っている火口は一瞬ライターの火に潜らせるだけで反応を始めるが、類似品や寿命を迎えた火口は5秒近くライターで炙らないと反応を開始しない。
ハクキンカイロの寿命
ハクキンカイロは火口の触媒が燃え尽きると発熱しなくなるが、新品の火口・触媒は数百円で買える交換式なので、本体を踏んづけて大破しない限り、火口を交換して半永久的に使える。
ちなみに私のハクキンカイロは今年で2シーズン目になるがまだまだ火口は絶好調。次のシーズンも余裕そうだ。
使用する燃料
ZIPPOオイルやハクキンカイロ純正のハクキンベンジン、それぞれ使ってみたが、コスパからハクキンベンジン を使っている。ZIPPOオイルはコンビニでも入手できるが、高い上に燃焼したときの臭いがキツイ気がする。まあ好きな方を使おう。
燃料の保管方法
燃料のベンジンは冷暗、つまり蓋を閉めて冷蔵庫に入れておけば変質せずに次のシーズンまで持った。
他にも冷暗所ならどこで保管してもいいかもしれないが、灯油と同じく気化しやすく引火性の油なので火元の近くに置くと火事になる。また燃料は衣類・塗装面に付くと布地が変色したり塗装が溶けるので、やはり冷蔵庫に突っ込んでおくのが無難だ。
ちなみに他の容器に移して保管する場合は注意しよう。
燃料は一部のプラスチックを溶かしてしまうため、適当な容器に入れるとドロドロに溶けて中身の燃料が漏れる。
私が他の容器に分けて持ち運ぶ際は、ポリプロピレンで作られたBeHAUS PPボトル細口ビン PBT-100 と言う容器を使っている。尼で200円だった。ポリプロピレン(PP)やポリエチレン(PE)と言う素材は、ベンジンに耐性が有るため容器が溶ける事は無いが、徐々に気化しているのか1週間も放置すると中身が半分ぐらいに減ってしまうのが難点だ。そのため短期間のキャンツーのみに使っている。
スパイクタイヤ
私はシュワルベ・マラソンウィンター700x35c を愛用しかれこれ3シーズン目なのでインプレしてみる。(※29erリムと700cのリムは共通なので、29erリムに700x35cを履かせている)
走れる積雪量
気合次第だが積雪10~15cmまで
上の写真がだいたい積雪15cm程、停車しても雪に埋まって自転車が直立するぐらいには積もっている。この中を走ったが1km走って脚が終わるほどに走行が困難だった。歩いたほうが速いな!
ちなみに15cm付近まで雪が積もると、BBやペダルに雪が当たってそもそも漕げないか前進できないと言うドンガメ状態に陥る。もはやタイヤではどうにもならないな!宮城の平地では1シーズンに数回ドカ雪が降るが、その中を走るとペダルを漕ぐより担いで歩いている時間の方が長かった。
新雪や積雪5cm程の走行
軽く積もった程度の道なら全く問題なく走れる
低圧にして自重した速度で走れば滑って危険と言う事はまず無い。
凍結路・圧雪路
アイスバーン・ブラックアイスバーンなどは大得意でしっかりグリップする。もちろん過信は禁物で滑る時は滑るが、全くの無力であるブロックタイヤ・スリックタイヤに比べたら非常に頼もしい。
ちなみに常識かもしれないが、凍結・圧雪は低圧で走ろう。
タイヤの空気圧が高いままでは、幾らスパイクタイヤと言えど普通に滑る。空気圧を低くする事でタイヤの接地面積を増やしてグリップ力を上げるのだ。
また圧雪路だが、自動車が踏み固めたタイプの路面なら轍に注意すればまあヘーキ。だが歩行者が踏み固めたタイプは中々の強敵で結構恐ろしい。走れない訳ではないがガレ場並に荒れた路面となるため気合が必要だ。
べちゃ雪・シャーベット
所謂ゲロ道、これが一番の天敵。
スパイクが食いつかない泥みたいな雪が最も厄介で非常に苦労する。これも気合次第で走れない事は無いが、圧雪・凍結路よりはずっと苦労する。むしろ強力なブロックタイヤの方がグリップするんじゃないかという具合だ。
マラソンウィターの寿命
今年で3シーズン目になるが、まだゴムは固くなっておらずひび割れも見られない。まあ自動車のスタッドレスですら粘って5年は使えるので、まだ何とかなるだろう。
これが3シーズン、約700km走ったタイヤ。
スパイクピンの抜け具合の方は前輪が10か所ほど抜け落ちたが、これはスパイクピンの補修セット がシュワルベから販売されているので、それを使って修理している。(※馬鹿力でピンをねじ込む筋肉修理法なので結構めんどい)
またスパイクピンの減り具合は「若干先端が丸くなってきてはいるものの、あと2シーズンは使えそう」と言う具合。流石にスパイクピンが全てくたばったら買い替えしか無いだろうが、スパイクピンが寿命を迎えるころにはタイヤのゴムも寿命を迎えてそうだ。
重量・乾いた路面
当然だがスパイクピンが有る分、かなり重たい鉄下駄だ。
高圧にすれば乾燥した路面でもそれなりに走る。ただしスパイクピンがアスファルトと接触する「ミ~~~」と言う騒音は常に聞こえるし、急の付く操作をするとタイヤから「バリバリバリ!」とスパイクピンが死にそうな音が聞こえてくる。
無茶をしなければまず滑らないが、タイルの上などでは明らかにグリップが落ちている。