明日立春だし気温11度とかもう春でしょ(せっかち)
しばらく暖かく雪があんまりふらない天候が続き、太平洋側の海沿いなら人権のあるツーリングが出来るようになったので、昨年に交換したフェザーS2くんの新しいリアサスを色々試してみよう。
おさらいすると交換したのはYSSのリアサス。本体価格6.6万と大型バイク向け社外モノサスにしては破格の安さだが、プリロードと車高調整、伸びダンパー調整が出来るモデルで、分離タンクではないもののピストン容量は割とデカく、シバいてもそれなりに耐えてくれそうな奴だ。
で、試してみたいのはリアサスのダンパー調整。
ダンパーとはビヨンビヨンと跳ね回るスプリングの動きを抑制する物で、便座の蓋と玄関のドアにも同じものが仕込まれている。便座の蓋を閉じようとしても勢いよくバシーン!と締まらずゆっくり蓋が降りるだろう。それは中に仕込まれたダンパーが蓋の動きを抑制しているからだ。
このサスペンションはそのダンパーの効きの強さを調整できる。
ダンパー調整
ダンパーをいじるならまずは最弱と最強を知るべしと古事記にもかいてある。
という訳で、まずはセオリー通りダンパー最強と最弱を試す所から始めてみよう。
ダンパー強
伸び側ダンパーを強めるとどうなるかと言うと、一度縮んだサスが伸びようとする時に動きを強く抑制するため、例えばタイヤがギャップを踏んだ時に「ズシン」となる所を「ズッ…………シン」と緩やかに動き、しっとりした乗り心地になる。
真っすぐ走っている分には悪くないフィーリングで、ほーんそれじゃバンクさせたらどうやろと思って傾けてみると、何かこう…曲がろうとするフロントにケツが付いてこないと言うか、接地感が薄くなりパタパタ寝る俊敏性が失われ、まるでジジイのファックみたいにのっそりしたハンドリングになってしまった。要するにバイクがダルい。
どうして…どうしてですかね?と思い調べてみると
縮んだ状況から、伸びるまで、時間がかかりますので、その間に、次の入力がやって来ることになります。こうなると、スプリングは、今まで縮んでいたポジションより少しだけ多く縮みます。 で、また伸びきる前に次の入力というように、どんどん圧縮されてしまうのです。
つまりダンパーを強めすぎると、サスペンションが定位置に戻り切らない内に次の働きをせねばならんデスマ状況に陥り、終いには餅つき先輩みたいにどんどん圧縮されて、サスペンションのオイシイ所を使えなくなってしまうのか。
ダンパー弱
じゃあ弱にするとどうなるの?っとやってみると、まぁぴょこぴょこ動く。
まるで乾燥タンポポキメたPUIPUIモルカーみたいだ。
ちょっと座り直しても上下に怖いぐらいスコスコ動き、路面のギャップを拾ったら振動が収まるまで即ヘドバンし普通に怖い。これはダメかな~~~~~~~と思いバンクさせたらそこまで悪くないのだ。
荷重移動に敏感に反応しスパスパとよく寝て、ハンドリングの応答性はかなり良い。不安定で落ち着きが無いとも言えるが、個人的に軽快な挙動を好むので悪くはなかった。
ダンパー中
強めると動かなさすぎてダルい。弱めると動き過ぎるがハンドリングは良い。
という事は硬すぎず柔らかすぎず、その中間が丁度バランスが取れた所でしょと思い探ってみると、25段階中の14~17段がいい感じだな。ケツは程よく落ち着いて、ハンドリングの軽快さもそれなりにある。
ググって情報を集めても、やはりダンパーが弱いと低速で扱いやすいストリート向け、強めたら高速高負荷サーキット向け。セッティングに正解はなく、走り方やステージに合った気持ちが良い点を探すものだそうだ。
峠が冬季解凍され山で遊び始めたらまた違った感想になるのかもしれない。
感想
という訳で結局普通が一番!ラブアンドピース!という結論に至ったわけだが、弄っていて思ったのは、リアサスの働きだけでバイクの挙動が変わるというより、フロントフォークとのバランスが重要だということ。
と言うのも、ダンパーを弄っているとフォークの動きにリアサスが着いてこなくなるラインというのがある。そのラインをひとたび超えると、まるで息の合わないチグハグ二人三脚リレーのように操作性が悪化するのだ。主にダンパーを極端に強めるか弱めるかした時が顕著だった。
そうか、「リアだけ良いサス入れてもバランス崩れる」とか「下手に減衰弄っても不満が出るぞ」とか言われてたのはこれだったのか。
ノーマルって結構綺麗にまとまってるセッティングだったんだなぁと実感し、それを崩して自分好みにするなら相応の覚悟、主に金と時間を費やす覚悟がいりそうだなと思った。