マスツーについてぇ、ご説明します・・・
「マスツー」というのはね・・・
・・・たとえば・・・・!
一人で走る所を・・・
誰かと一緒に走ると・・・・
気持ちが良い、とか・・・
あるいはぁ・・・
道案内をぉ・・・
・・・・誰かに押しつけて走ると・・・
気持ちが良い。
といったことを・・・
「マスツー」というんだ。
という訳で、今回はマスツーに関してのあれこれを書くゾ。
千鳥走行について
マスツーでまず必要なのは千鳥走行だ。
千鳥走行とは、鳥の歩いた足跡の様に展開して走る二列縦隊の陣形で、縦割れアナルみてぇな一列縦隊より視界が広く、道路の占領スペースも小さくなり、マスツーメンバーがお互いに認識しやすいなど、数人がまとまって走る事に適した陣形だ。
では、なぜ千鳥は一列縦隊より優れているのか。
下の様に、縦一列で適切な車間距離を保ったまま走ると、どうしても集団が前後に長くなってしまい、信号で分断されたり、前方を見失ったりする確率が高くなる。
バイクは真後ろと真横付近がサイドミラーの死角になっているため、縦一列で走ると他の車両を確認しづらく、車間を詰められてしまうと、ほぼ見えなくなってしまう。
当然後続がハンドサインを出し合図したとしても分かりづらく、最後尾に至っては良くてミラーの点状態なので把握するのは困難だ。
そこで千鳥走行の出番である。
千鳥走行を行えば、適切な車間距離を保ちながら、より省スペースにすることができ、またミラーの死角を避けた配置なので、お互いがお互いに状況を確認しやすい。列が短いため信号での分断される確率も低く、マスツーでは何かと都合がいいのが千鳥走行だ。
まぁ千鳥状態でも車間を詰めすぎると、前を走っているバイクのミラーに映らない死角に入ってしまうので、自分が前のバイクにどう見えているのか考えながら、良い位置に付こう。あと前を走るバイクがコケても、巻き込まれない位置に居ることも重要だ。
千鳥走行の並び方について
先頭は、道を知っている人や幹事、中間に初心者、最後尾にベテランが基本だろう。
まぁ後述するホモツーだとガン無視する事も多いが、初心者は出来るだけ保護するため先導の近くに置き、最後尾はキチゲェに煽られた時も冷静に対処できるベテランを付けたい。
先導車は左右どっちに居るべきかと言うと、車線右側に陣取った方が効率的だろう。
なぜかと言うと、こっちの方が後方視界が良いから。
この様に、先頭が左側にいると、後続のバイクが邪魔でミラーに大きな死角が出来てしまい、車線変更したいとき、追い越しをかけたいとき視界が悪い。
なので先導は車線右側を走る事をお勧めする。
ちなみに千鳥走行はいついかなる時でも行わなければならない、と言う訳ではない。
例えば、千鳥を維持する事が難しいぐらい細い道や、道の両端に落ち葉や砂利が溜まっており、千鳥を組むと危険な場合、峠でイキってる時など、そういう場合は前のバイクとの車間距離を十分に保った上で、道の真ん中(または最も安全な位置)を走る。
大事なのは千鳥を維持する事ではなく、あくまで安全に事故る事なく走ることだ。この道やべぇな(素)と思ったら、千鳥走行を解除して安全に進もう。
ハンドサインとか右左折の誘導、後続への意思表示
インカムを持っていれば、右左折の度に口頭で説明すればいいけれど、インカムがなかったり、電池が切れたりして使用不能な状態になった時のため、ある程度の、簡単なハンドサインを決めていたほうが無難だ。
右左折する際、車線変更する際、追い越す際など、まぁ交差点が見えている状態で、左手で進行方向を指させば、なんとなく理解できるだろう(適当)やきうのバントサイン並みに複雑な物は、意味を取り違えたり、そもそも誰も覚えてなかったりするので、行ってもあまり意味がない。
とりあえず重要なのは、止まる・曲がる、という事故に直結する操作で明確な意思表示をすることだ。
特に先頭を走る場合は、こっちが曲がろう、止まろうと思っても、後続が理解していない・気づいていないという可能性を考慮しないといけない。
よくある例だと
- なんとなくエンジンブレーキだけで止まろうとしたら、後続はブレーキランプしか見ていなかったので、減速していることに気づかず追突しかけた
- 信号が変わる微妙なタイミングで止まるか迷った挙句に停車した結果、加速体制になっていた後続が止まりきれず追突しかけたり、停止線をオーバーランしてしまった
- 右左折 or 車線変更で曲がる直前にウィンカーを出したため、後続が気づかず対応できなかった
など。
後続は全員集中して先導車を見ている訳ではなく、景色を見てたりメーターを見てたり、よそ見をしているとか、夜勤明けで半分死んで走ってる…という前提で、
- ウィンカーは普段より早めに出す
- 少しでも速度を落とす際はしっかりブレーキランプを光らせる
- ハンドサインは早めに大げさに明確に
しようね…!
インカムで誘導する際も「次〇〇へ曲がるゾ^~」「イクッ!!」「止まれ!」「避けろ!」「落下物!」「砂利!」「対向車!」など簡潔にはっきりと伝えたほうが良い。後続にきちんと伝わらなかった結果、カマ掘られるのは前を走っている自分である。
追い越し・車線変更について
無駄な車線変更や無駄な追い越しも場合によっては控えたほうが良い。
3人で行う千鳥の長さは、低速状態でも最低12mになり、だいたい45人乗りの大型バス一台分の長さに相当するのだが、そんな物がちょこまか動いていたら、周りの車から見ても危ないし迷惑だ。
たとえ先頭が、遅い車を気軽にちょいっと追い越しをかけるだけでも、後続が大忙しという場合もあるので、マスツーを率いてる先頭のバイクは、今自分は大型バスと同じサイズであると考え、追い越し・車線変更する前に、後続も付いてこれるのか、確認してから行動しよう。
インカムがあれば車線変更行けそうか聞いてみるのもいいな。
マスツーの誘導・先導方法
マスツーの企画と誘導方法は「ツアー方式」が基本だろう。
観光ツアーなどで、旗を持って老人の群れを率いてるツアーガイドの様に、マスツーを企画した幹事が先頭に付き、ルートや日程などを誘導しながら皆を率いて走り、後続はそれに乗っかり着いていく奴だ。
幹事の負担が大きい方式だけど、友人同士や少人数のマスツーなら、問題なく進行し、インカムが有れば予定の変更など、何かあっても走りながら臨機応変に変更できるし、少人数なら難なく進行出来る事が出来る基本形。
だがマスツーの人数が5~6人以上になってくると少々厄介になる。
何が厄介かと言うと、まずマスツー先導車のミラーに映るのは、後続のバイク4~5台目ぐらいが限界で、それ以降は豆粒並みに小さいか、他の車両に隠れて見えない事が多い。
後続の様子がはっきりわからない状態で走れば、後ろで転倒やトラブルなど不測の事態起きたとしても対応が遅れてしまうし、全員の様子を把握しようと頑張った結果、ただでさえ色々考えなが走ってる先導の負担が大きくなるのも良くない。
まぁ、幹事を数名で補佐すれば何とかならない事も無いが、マスツーメンバーが更にに増え、だいたい10人を超えてくると、
- 事前の打ち合わせ
- 走行ルートの検討
- 他の車両に迷惑かかるので千鳥走行の班分け
- 分断時の動き
- はぐれた時の合流ポイント
- 緊急時の連絡方法
- 給油タイミング
- 観光スポット
- 大人数でも入れる飯屋
…など、企画するのがおっくうになるほどに手間がかかる。
正直幹事は面倒過ぎてやりたくないし、出来れば誰かの企画に乗っかって後ろをついていきたい。
ソロツーの集まり&全員が先導と言う考え方
そこで当職としては、YBCやニコツー、クリスマスツーリング、ホモツーなど、不特定多数が大勢で走る際に採用される「ソロツーの集まり&全員が先導」という方式を押したい。
これは
「ソロツーしていた所、知り合いのライダーがたまたま同じ目的地へ走っていたので、たまたま千鳥走行してるだけ」
と言う建前の元に走るものだ。
一応出欠を取って、どのへんを走りどこへ向かうか、大まかに伝え軽く打ち合わせを行った後に千鳥を組んで走行するが、例え信号に分断されても、道に迷っても、急に💩したくなってコンビニに入っても、全員ソロツーしている途中に偶然遭遇しただけなので、先導車は基本的に関知しないし、後続を待つかどうかも状況次第。もし分断された時は、その時点で先頭にいた人が次の先導車になる。
勿論ド初心者がいる場合や、危ない道を通過する時など、状況により出来る限り安全を重視し、道案内したりサポートしつつ走るのも大事だ。
しかし無理に全員で一緒に走ろう、何とか皆をまとめようとするよりかは、統率は取れない物として各自の奮闘に期待し(大本営)目的地や経由地だけ決めて自由に走らせるほうが安全と言う場合もある。
全員でディスコードやLINE、Skypeなど通話アプリを使って、今どこで何をしているのか会話しながら走るのも楽しいな。
マスツーメンバーは、先導をストーキングしてもいいし、グーグル先生の言うとおりに走っても良いし、気になった観光地や面白そうな林道を経由してきてもいい。
幹事の仕事を全員に分散させて負担を和らげる訳だな。またの名を丸投げとも言うが、少なくとも道中の班分けや、分断時のあれこれ、ルート検討の手間がほぼ解消されるこの方法はとても楽。
シスターフッドについて
さて、この方式で大事なのは「シスターフッド」だ。
シスターフッドとは、元々の意味はさておき、ライダー界隈だとばくおん!のコミック第2巻、東京から青森へ東北道キャノンボールしているシーンで、ガス欠になってしまったモジャ公に対しカタナ狂いが
「ハッハー!マヌケね!シスターフッドに従って置き去りよ!これは勝負なんだから!」
と、畜生発言をしたことから、シスターフッド=マスツーで置き去りと言う意味が定着した。(実際には置き去りにせず、自分のガソリンを分けて最寄りのガソリンスタンドまで連れて行ったのでレズはホモより優しい)
つまり、
- 信号で後続と分断された
- 皆が速すぎてついて行けない
- もっとハイペースで走りたい
- 体力的にしんどくショートカットしたい
- うんちしたい
などの状況で、マスツーから別行動をとったり、置き去りにしたり、集団を切り離したり、離脱して高速を使い目的地に先回りする事をシスターフッドと言うんだ(ホモは薄情)
シスターフッドが有効だとこういう感じになる。
バイクの種類、排気量、ライダーの力量、性格、公道走行への考え方もバラバラな連中が纏まって走れば、だいたいはライテクが未熟で、ペースが遅い人に合わせて走ることになる。
大都会で鍛えた狂気のすり抜けガチ勢に、すり抜けするほど車が居ない東北のクソ田舎ライダーがついていける訳もなく、酷道険道でメガスポがオフ車と同じペースで走れるわけもなく。遅い方に合わせると次第に不満が出てくるし、ペースを合わせて貰ってる方も、何だか申し訳ない気がしてくる。
そこで気軽なシスターフッドだ。
峠や高速でカッ飛ばしたい奴は、とっとと先に行かせて自分は自分のペースで、安全第一で進もう。意地でも集団を維持するのがマスツーではないのだ。
一度はぐれたら合流が面倒な昭和ならいざしらず、21世紀のツーリングではディスコードなどの通話アプリを使い、携帯の電波さえあれば、地球の裏側にいるマスツーメンバーとも意思疎通が出来るのだ。
自分の体調やライテクと相談し、これはついて行けないと思ったら、とりあえず離脱して、その後は通話アプリでマスツーメンバーと駄弁りながら、目的地まで無事に到着出来ればそれで良し!うん、またそれもマスツーだね!
と考え、おやつ感覚で気軽にシスターフッドを多用しよう。
と言うわけで、シスターフッド(気軽な置き去り&気軽に離脱)が「ソロツーの集まり&全員が先導」で重要になる。
きっちり計画を立ててマスツーするのも良いけれど、何かと労力がいり手間も多いので、多少ガバガバな面も有るが、全員に責任を程よく丸投げ出来るこの方法は非常に便利だ。
マスツーは野獣先輩のスマホ並みに柔らかく、もっと自由な形になっても良い気がする。