何やかんや程よい位置にあるZX-25Rの純正ステップ。
しかしながら1500kmぐらい乗ってみるとやはり位置が前過ぎるような気がして盆栽の機運が強まってきた。
と言ってもバチバチのバックステップが欲しいと言うほどでもなく、まぁせいぜい2~3cmほど後退してくれれば十分だ。
そこで最初候補で考えたのはデイトナのマルチステップかトリックスターのオフセットプレート
この2つでも割と十分な移動量で満足できそうな気もするのだが、ちょっと謎中華品に目を向ければ同価格帯でバクステが転がっている。
中華パーツなんて大丈夫なん?と思うかも知れないが、ninja250先輩でもマルチステップやらのパーツを入れた挙げ句、結局満足できずにバクステに手を出した経緯があり、しかもその中華バクステはノートラブルで6万キロ走り切っている。
うーん…よっしゃ!中華パーツガチャの始まりや!!!!
検品編
という訳でポチったのは謎中華Vipjq ZX-25R用バックステップ
同じ形状をしたバックステップが別名で山のように出品されており、Vipjqというメーカー名は恐らく意味のないダミーだろう。発送元も中国でメーカー不詳のガチモン謎中華パーツだ。
1.2万という値段はいささか不安だが…まぁガチャ天井回すよりは安いしハズレでもギリギリ泣かないレベル。男は度胸!何でも試してみるものさ!
で、二週間後にチャイナポストで届いたのがこれ。
品質や精度はそこまで悪くないんじゃないか?塗装面もそれなりに綺麗だ。これはアタリでは???
さて中華パーツが届いてまず最初にやることは全バラして組み直し。
なぜかと言うとネジのトルク管理もガバガバでネジロック剤も付いておらず完全に仮組み状態だからだ。なのでいっぺん全バラしてネジロック剤を散布して組み直し、ベアリングやカラーをグリスアップせねば安全には使用できない。
バラせばパーツの検品も出来るしな。謎中華品を使う上でのお約束だぞ!
ほーん…中華品のくせしてちゃんとベアリング圧入してるしグリスもしっかり塗られてる+114514点
届いたママだと案の定仮組みだけでネジロック剤はゼロ、締め付けトルクもそのまま付けて走ったら走行中バラバラに分解し始めるであろう状態だったが、値段と中華品ということを考えると思いの外ちゃんとしている。
気になった点としてチェンジペダルのガタがややデカく、この辺は流石に5~7万する国産メーカーに比べたら全然だが、言うてベアリングのお陰で動きは滑らかだし実用の範囲内だ。
やっぱり悪くないんじゃないかこれ?
取り付け編
さて早速取り付けよう。
当然ながら取扱説明書も何もないため自力で全部何とかできる人、もしくはバイク屋に課金して丸投げするのが謎中華パーツの基本だ。
バックステップはブレーキなど最重要保安部品に関わるパーツなので分からん時は素直にバイク屋に課金したほうが安全だぞ。と言っても訳の分からん謎中華品は取り付けNGと言われるかも知れないが、まぁそれも醍醐味だ。
…………
………………ん?ちょっと待てよこれ
ネジロック剤盛りすぎィ!!!!!!
何考えとんのじゃオラァン!!!!!
そう言えばカワサキのバーエンドとステップは鬼のようなネジロック剤でガチガチに固められている事を忘れていた…
ネジロック剤というのは緩んだら事故に直結するようなネジに塗る接着剤のようなもので、本来は適量を塗って使うのだがこの様に豪快に塗られるとまぁカチンコチンに固まって全く回らない。
酷い時はネジそのものが破壊されるまで固まっていることもある。
危なかった…ガストーチ先輩が無ければ即死だった。
ラスペネ大先生も全く効かず、かくなる上はガストーチ先輩でネジ本体を炙ってネジロック剤を溶かしたらようやく緩んでくれた。やっぱネジロック剤にはトーチしか勝たん。
なおバイクはガソリンやオイルが詰まった乗り物ゆえ、火を使う場合は消火剤など用意して車両火災には十分注意してくれ。特に入れすぎたガソリンは車体下のホースから垂れてくるぞ。
反対側もトーチ大明神の力で無事外せた。
ネジロック剤盛りすぎなんじゃ💢💢💢
で、取り付けてみるとチリは完璧で加工精度は抜群だ。
ブレーキマスターの位置も純正と変わらないようでホースの曲がり具合は一切変化がなくブレーキ系統への負担はゼロ。これは素晴らしい。一切の加工がなくポン付け出来た。
もちろんブレーキランプも純正パーツを流用してそのまま付けられる。まぁスイッチ位置の調整は必須だが専門的な加工が一切不要と言うだけで+810点。
反対側もポン付け。
チェンジロッドはオートシフター用なのか短いのと長いの2本入っており、うちのは長い方一本で取り付けできた。こちらも中々悪くない。早速テスト走行に行こう!
テスト走行
ぶらりと海沿いを280kmほど走ってみる。
ポジションは純正に比べるとだいたい2~3cmぐらい後ろと上に移動しており、やや前傾姿勢になったお陰でニーグリップ筋に負担がかかったのか股の筋肉が少々痛い。
こういうなんか速そうなバイクは乗車姿勢が自転車のクロスバイクみたく軽く前傾しており、数百キロの距離を数時間乗るとそれだけでも割りかし筋肉がいる。
緩めだった今までの純正ポジションがちょっと攻めた感じになったと言える。
お陰で車両の運動性能も気持ち上がった感じがして倒し込みがほんのり機敏になった。
あと全バラ組み立ての時に気になったチェンジペダルのガタつき。やはり若干シフトフィールが悪く、比較的カチッとしていた純正ステップと比べてカチョンという感触になり微妙。まぁ値段を考えればこんなもんだろう。きちんと動いて壊れなければヨシ!
最後に気になっていた剛性だが大きな問題はないように思う。
ステップの上に立ち上がったり多少攻めてみても歪んだりしなったりする事はなく思ったより硬そうだ。体重掛けた状態をよく見ると2mmぐらい微妙にしなってた。
この中華バックステップの素材は6061-T6というアルミのようで強度はそこそこに柔軟性と耐腐食性に優れた合金。自転車のロードバイクに乗っている人ならお馴染みのフレーム素材だな。
バックステップでは主に体重を支える強度と転倒時にあえて曲がる柔軟性を両立させたいステップバーでよく使われる素材なのだが、ステップのベースプレート部分など強度全振りしたいパーツすらも同じ6061となるとやはり全体的な剛性が足りないか。
なお乗車中に歪みが気になるとかブレーキペダルの感触がおかしいとか、そういう妙な感覚は感じられず、まぁ全バラから組み立てていた際にもネジが舐めるような柔い感触は特に無かったし一先ずはよい。
安価な謎中華にしては上出来だ。
という訳で中華ガチャは概ねアタリを引けたと言えるだろう。