フォークオイルとはフロントフォークの中に入っている油で、使用するオイルの粘度や量によってフォークの動きを変化させる重要な物だ。
オイルの粘度が柔ければスコスコ動き、硬ければネットリ動くようになり、またオイル量を変化させるとエアスプリングの動きも調整でき、まぁ、そう、なんかいろいろある(投げやり)ライダーの好みや走行シーンによって変える事もあるが、普通に乗ってる分にはサービスマニュアルの通り純正指定が基本である。
さてほんへ。
今回当職のFZ6 FAZER S2も4年目と言う事で、フォークオイルが劣化しふわふわと落ち着きが無くなってきたフォークをOHしてもらうためお店に丸投げするのだが、FZ6の使用するフォークオイルの種類に関してこんな噂がある。
曰く、07~09年のFZ6のサービスマニュアルには
「最低粘度のS1フォークオイル(旧01オイル)を使うべし」
と書かれているのだが、FZ6オーナーの間では
「S1はカートリッジ式および倒立用オイルでFZ6のフォークには適さないはず」
「フォークに対して粘度が低すぎる。正しくはG10でサービスマニュアルの誤植では?」
と言う感じに、SMで指定されているオイルではやわすぎるのではないかと言う説があるのだ。
粘度一覧表はこれ
まぁ厳密な規格が無く、同じ10番手でも各社微妙に違ったりするので正確ではないけれど、S1とG10の粘度は約2倍近い差があり、本当に誤植だったとすれば、S1を入れた日にはフォークのバランスが崩壊し性能に大きな影響が出る事は間違いない。
正解はどっちなのか、夢なのか幻なのか…
と言う訳で、本当に誤植なのかSMが正解なのか真相を解明するため、今回のOHでサービスマニュアルを無視し、S1ではなくG10(油面はSM指定のまま)を入れてどうなるか試してみるゾ。
そもそも今のクソザコ減衰は街乗りならまだしも変態くサーキット部だとイマイチだったし、硬めのオイルを入れてみたかったからな。覚悟決めろ(人柱)
で、結論から言うとG10でアタリだった。
と言うのも、フォークオイルを抜いてみて判明したのは、そももそ今まで入っていたフォークオイル自体がG10だったようで、整備士兄貴も「S1とかいう激柔オイル指定は妙だ、G10にして正解だろう」と言う意見。
整備が終わり乗ってみても、まぁ柔らかくもスコーンとノーズダイブはしない程度には粘るネットリしなやかないつもの脚。OH前の劣化したフォークオイルのせいでふわふわ落ち着きがなかった感じも綺麗さっぱり無くなり、納車当時のお上品な挙動を思い出した。
もしこれ以上柔いオイルを入れたら、200kgの巨体がオフ車みたいな挙動になって多分乗り辛いように思うし、やはりフォークオイルの粘度はG10で間違いはなかった。個人的にはもうちょい硬めのオイルを入れてみたかったんだけどまぁええわ。
ちなみに情報交換が盛んな外人兄貴のFZ6フォーラムでは
「フォークオイルは5Wが丁度いい」
「10Wは硬めでサーキットはいいが悪路辛い」
「7.5Wが攻守において最強」
https://www.600riders.com/forum/fz6-mods/48902-oil-weight-r6-fork-swap.html
と言う感じ。
5WはG10相当の粘度33前後と思われ、これを基準と言うか純正として語っている模様で0W相当のS1を入れている様子はなかった。やっぱり誤植じゃないか(呆れ)
と言う訳で無事人柱を完了した感想ですが、07年以降のFZ6フォークオイル交換orフォークOHでは
「フォークオイルはヤマハG10、油面は純正指定」
と自信を持って注文しよう。サービスマニュアルはガチで誤植っぽい。
今回は安いヤマハG10鉱物油を入れたけど、粘度G10相当のお高い全合成フォークオイルも良さそうなので誰か人柱してくれメンス。おっと人柱する程FZ6走ってないか、ガハハ!(自虐)