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今回は南九州を攻略していくぞ。ルートはこれ。
九州は5日間滞在する予定で、本当は何もなさそうな宮崎長崎や鹿児島の南東にある野生の馬を見に行きたい所なのだが、どうも明後日から雨が振りそうな予報がある。
雨だけならまだいい。ただの雨予報ではなく気象庁146年の観測史上2番目に早い梅雨が来ているとかで見事なクソデカ前線が爆誕しており、つまり降るのは猛烈な雨または嵐の可能性が高い。
ともかく梅雨の前線は南西からせり上がって来る事から、あまりのんびり鹿児島宮崎を散策すると後々酷い目に合う事は確定的明らかだ。予定を繰り上げとっとと行こう。
5日目~鹿児島~
えびのスカイライン
5日目初手は、鹿児島県霧島市の上の方にある韓国岳(からくにがたけ)を縦断する峠道がえびのスカイライン。
なんで韓国の名前がついているのかと言うと、ここから朝鮮半島を見渡せるぐらい高い山だからという理由だそうで、テコンダー朴のキャプテンコリア号がぶっちぎってる聖地とかではない。
流石に阿蘇を走った跡だと見劣りするものの、悪くないつづら折りの峠。
所で山を走っていると凍結注意と積雪用の赤白スノーポールを見かけた。え!九州って雪降るんですか!?てっきり滅多なことで雪は降らず、山は通年走れるもんだとばかり思っていたら、九州の積雪量は東京の2倍もあるらしい。
まぁ3cm積もっただけで大騒ぎする東京の2倍と言われても誤差に思えるが、とにかく雪は降るそうで意外だった。
えびの高原まで来ると下りルートが通行止め。
どうやら生駒高原など山を堪能するルートはダメな模様。すごすごと市街地へと続く道を進む。
姶良カルデラ
山から降りたら国道220号線、桜島を囲む海沿いを南下を開始。
海、と言ったのは少々不正確かもしれない。
ここは元々巨大な山だったのが、九州全土を吹き飛ばす破局噴火をかまして台地に大穴を作り、水が溜まって海の一部となった場所。それが今走ってる姶良カルデラで、海というより超巨大な火口湖だ。桜島の本体でもある。
などと火山のデカさを感じながら、薩摩藩の横まで来たんで本場かどうかも知らんさつまいもを貪る。あっっっっっっま天然の芋ケーキでしょこれ。
桜島
さて、そろそろ桜島の降灰射程圏内だ。
桜島は今も元気に噴気を上げたり、たまに爆発して石や火砕流を垂れ流す元気な活火山のため、この辺から火山灰が降ってくる。火山灰は塗装を削る細かく鋭いガラス片で構成されており、出来ればうまく回避したいのだが…
降灰予報を見る限り、どうやら姶良カルデラの東付近のみ灰が降っているっぽい。つまり今いるまさにこの直上。地元民曰く、桜島が爆発しない限りそこまで大量の灰は降ってこないそうだしまぁ問題ないでしょ。
あれが桜島ちゃんですか。
モクモクと噴気を出していてかわいいね♡あれ…なんかヘルメットとバイクが埃っぽいような…
頼むからやめてくれ(降灰)
桜島に上陸して一周中。
桜島に近づいた辺りから周囲一帯キャブ車の排ガスのような、花火の火薬が燃えるような独特の臭いがする。そして辺り一面灰まみれ。
どれぐらい灰まみれかと言うと、センターラインや路肩は砂利の代わりに灰が溜まり、砂浜は灰で黒っぽい。家屋に目を向けると店の看板も建物ももれなく灰がこびりついてグレー、自販機はすりガラスみたいに透明度を失っている。
砂かな?と思ったら灰だった。
灰が多く降る日は濃霧のように視界が悪く、積もった灰は泥のようにヌタるとか。桜島市街地の町並みは普通なんだけど、活火山に登った時でしか見れない噴石対策の避難壕も当たり前のように存在し、全体的に異国感がある。
100年前に噴火した時の灰で埋まった鳥居。
これは何日もかけて埋まったわけではなく、噴火後のたった一日でここまで埋まったらしい。塵も積もれば山となるとは言うけれど限度があるだろ、加減しろバカ。
陸路で行ける本土最南端へ
桜島を後にして海沿いを南に進み、陸路で行ける本土最南端こと佐多岬を目指す。
最北端は北海道の宗谷岬、最南端は佐多岬。今から行くのは"下"だよね…!
なんだこの透き通る海は…たまげたなぁ。
桜島を過ぎると海や周りの木々の雰囲気が日本離れして、南国の様相を呈してきた。特に今は海水浴も自粛中だとかで人もおらず、浜も綺麗で気持ちがいいᕙ('ω')ᕗ
本土最南端の定食屋を見つけたので昼飯にしよう。
写真にヤシの木が見えるけど、この店に限らず熱帯地方にしか生えていない謎の木が当たり前のように生えていて、桜島を過ぎてから木々の生態系が明らかに違う。
昨日の阿蘇も大概日本離れしていたが鹿児島県の南の方も南国じみて面白い。
最南端の定食屋。
あんまり期待せず入ったものの、漁港に囲まれた東北住まいも思わずにっこり。店の裏に置いてある船でさっき釣ってきたレベルの良いハマチで非常に美味しい。店の中に置いてある声変わりしたミーティーみたいな声で鳴くキモいフクロウのぬいぐるみさえ無ければ最高だった。
涅 槃 城
道中、涅 槃 城とかいう謎の看板を見かけたので興味本位で立ち寄ってみる。
クソみたいな私道を抜けた先に見えたのがこれ。なにこれ(素)
ググると謎宗教団体が運営している謎観光施設のようで、ファーストガンダム第一話に出てくる起動前のガンダムみたいな格好で寝てるクソデカ謎大仏が展示されているとか。そう(無関心)
昭和に建てられたがっかり観光施設の廃墟かと思ったら宗教系と分かって興味を失った。ほな…
佐多岬
これまた美しさがカンストしてる海を眺めながら坂を登る。最南端まで後もう少し。
宗谷岬に比べると少々寂しい場所だが、ここが陸路で行ける地の果てこと本土最南端「佐多岬」これで最北端と最南端の両方を走った実績をアンロック出来たぞ!
という事で満を持していよいよこのセリフを言おう。
北は北海道宗谷岬から、南は鹿児島佐多岬まで!!
よし!満足したので帰るか!
ここにも熱帯樹ガジュマルの大木があり南国味がある。
ちなみに佐多岬は最南端の神社と岬の本当の先まで歩ける遊歩道が有り、このトンネルから行けるそうだ。時間もないし撤収!
霧島市まで戻ってきた帰りに本場鹿児島の博多ラーメンを食う(矛盾)
博多ラーメンと言えば猛烈な臭いがすることで有名で、初めて食べた時はドギツい豚骨の香りで窒息しそうになった割に、本場(本場とは言っていない)の博多ラーメンは意外と食べやすく普通に美味しい。
博多ラーメンのサジェストが匂いフェチと消臭マンで拮抗しているあたり、やっぱりヤバい臭いなのでは…?
6日目~佐賀~
勝ったな(晴れ)
本日は天気が微妙なため、雨雲から逃げて比較的晴れるであろう佐賀方面を走る予定だ。
佐賀って何があるの?と思い調べると、走って面白そうな場所もそれっぽい景勝地もぶったまげるほど何もなく虚無の予感にオラわくわくすっぞ!とりあえずアニメ ゾンビランドサガの聖地巡礼でもするか。
所で、福岡周辺を走っている時にも飛んできた全身真っ黄色になるこの黄色い粉。
これが飛んでくると目が痒くて鼻水が出る強いアレルギー反応が出ていて結構辛い。何だこれと思いつつ、一つ心当たりが有ったので予報を見てみる。
やっぱりな(レ)
もしやと思い予報を調べたらやはりPM2.5(黄砂)東北では自分に黄砂アレルギーが有る事を知らなかった程度に飛散量が少なく、全身が黄色く染まるほどの量をいきなり浴びて目と鼻が無事絶命。ゆるして(瀕死)
ドライブイン鳥
手始めにゾンビランドサガの聖地巡礼でドライブイン鳥へやってきた。心の汚れている人には雨降っているように見えます。
アニメ「ゾンビランドサガ」聖地巡礼ガイド【伊万里市編】|アニメ「ゾンビランドサガ」聖地巡礼ガイド|あそぼーさが[公式]佐賀県観光連盟
あ、ここかぁ!
ドラ鳥と略されて地元民に愛される定食屋で、ゾンビランドサガ1期5話の舞台となった場所。看板に輝くコッコ君と入り口のリアルニワトリが目印だ。
胸のランプが点滅すると あと3分で力尽き果てる
その時のウルトラマンの苦しむ姿にドキドキするって
ヒーロー凌辱だぜ!
中も外もゾンビランドサガのポスターが多く、ポタクが一人で来ても場違いにならないフレンドリーさを感じながら、定番の鳥めし付き一番定食を食う。
鳥めしの味はチャーハンを想像すると全然違い、炒めた味の薄い鶏五目みたいなあっさり風味で思いのほかパンチが弱い。と言うか鳥飯と鳥汁と鳥肉で鳥がダブったジェットストリームアタックの中では完全に埋もれており、牛や豚セットと組み合わせて食べるのが正解な気がする。
唐津市歴史民俗資料館
続いてゾンビィの住処こと唐津市歴史民俗資料館にやってきた。休館中につき中を見学することは出来ないがしゃーない。
アニメ「ゾンビランドサガ」聖地巡礼ガイド【唐津市編】|アニメ「ゾンビランドサガ」聖地巡礼ガイド|あそぼーさが[公式]佐賀県観光連盟
アニメ劇中では寂れた郊外にあるような描写だったので、てっきり山中にあるものかと思いきや、実は海に囲まれた岸壁近くに存在した。ゾンビランドサガ1期10話の様に軽トラックとダンスっちまうのは物理的に無理な、細い生活路の突き当りにある。
ああ!窓に!窓に!
ファンサで窓際にキャラクターのパネルを置いて粋やね。と思い1階を見ると…なんか顔が歪んだキモいのがいる(恐怖)
よく見ると抱き枕カバーのような物を被せたマネキンらしく、布が余って顔が歪んでいるように見えたようだ。夜中に見たら泣いちゃうでしょこれ。
加部島~虹の松原
今から福岡方面に走るにはちょっと早すぎるので、付近の半島と離島と虹の松原とかいう松林でも回ってみようかと、まずは加部島へ向かう。
そこそこですね。
佐賀~長崎方面は橋で渡れる離島が多いんで、せっかくだから全部攻略したい所。だがこいつ(雨雲)が許すかな!
ご覧の通りクソデカ梅雨前線から生まれるヤベー雨雲が接近中である。
これはもうあかん。とっとと今日のホまで逃げよう。
7日目~フェリーで逃げるんだよォー!!~
所でこの天気予報を見てくれ。こいつをどう思う?
見事なオール雨まみれ。雨雲レーダーに至っては色が濃すぎて地図が見えねぇ。
おまけに九州だけではなく中国地方も余波を食らってガッツリ雨らしく、仮に陸路で帰宅レーシングをした場合、かなりの苦行になることが予想される。
よし、乗るか!フェリー!
九州→東北を陸路で移動とかアホのする事なんですよ(高速手のひらドリル)
ゲロ酔いして二度と乗るもんかと誓ったフェリーではあるけど、台風でも来ない限り荒れない瀬戸内海のフェリーなら絶対酔わないと聞き、信じて乗ってみようと思う。むしろゲロ酔いと雨天長時間走行なら、まだ酔って死ぬほうが尊厳がある。
夕方乗船して次の日の朝には目的地に付いている。しかも料金は8800円と高速道路よりずっと安い!やっぱりフェリーがNO.1!
念のため風波予報を見ると瀬戸内海は本当に穏やかだ。
天然のメイン盾こと聖なるバリア四国大陸の減衰力は凄まじいものがある。
ゆるして(暴風雨)
フェリーターミナルさん?!へ向かいながら、雨だけじゃなく風も強くなってきた。推定風速7~10mはあるぞどうなってんだ。ここまで風が強いとカッパの袖や裾、ヘルメットの隙間から霧状の雨が吹き込んで、合羽フル装備でも着衣がしっとりしてしまうのだ。いやもうホントきついんで(素)
ボドボドになりながらフェリーへたどり着く。
平日なためか船内はガラガラで、カプセルホテル型のB寝台は誰もおらずフロアまるごと貸切状態。なるほどぉ~~~あとは寝ていれば大阪港に到着するって完璧な寸法っすねぇ~~~
エンジンの振動がダイレクトに響く電マベッドであることを除けばよォー!!
次回、「船は揺れない代わりに爆裂振動ベッドだとは思わなかった」。デュエルスタンバイ!
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