前回
東北、梅雨明け。
毎年8月頭までキレの悪いしょんべんみてぇに降り続く梅雨前線が、今年はやたら早く去ってしまった。
お陰でこの気温である。
7月中旬だと言うのに気温は32~37度までブチ上がりもはや人が住める気温じゃないんだよ!アクシズ落とさなきゃ(使命感)
さて、こんな気温でバイクに乗るのははっきり言って無謀だ。
半袖短パンで外をうろついても熱中症の危険があるというのに、100度を超える高級暖房を足元に抱えながら炎天下の中を走って無事なわけがない。しかしながらこんな天気の良い休みの日に走らないのもそれはそれでもったいない。
そこで改良した水冷服V3ツインドライブの出番ってわけだ!
水冷服V3改良点
水中ポンプツインドライブ
水冷服の仕組みはリザーバータンク内の水中ポンプがスーツの襟まで水を押し上げ、スーツに張り巡らされたチューブを重力に従って流れ落ち熱を奪いながらタンクに戻ってくるというもの。
従来はUSB駆動の5v園芸用水中ポンプ1個で全身のチューブに水を送っていたのだが、電圧が低いせいか水量が思ったほどではなく、体を右に傾けると右ばかりが冷えたりイマイチな点も目立った。
そこで水冷スーツV3では2台の水中ポンプを使い水を送る。
プラマイリポンプはスーツの右半身、セカンダリポンプは左半身を担当だ。水中ポンプツインドライブにより左右均等に水が流れ水量も2倍。冷却性能も2倍。1+1は2じゃない200だ!10倍だぞ10倍!
脱鮮魚リザーバータンク
ついでに見た目が鮮魚輸送発泡スチロールだったリザーバータンクをキャプテンスタッグの見た目が普通な6.8Lクーラーボックスに変更。安いクーラーボックスのため断熱材は発泡スチロール。保冷能力は変化無さそうだがまぁええわ。
水冷服実地テスト
防弾チョッキの製造メーカーはその能力を証明するため開発者らが実験体になるという。そんなわけで改良した水冷服V3ツインドライブを装着して走るぞ。
さて本日の外気温は…
水冷スーツを試すのにおあつらえ向きのいい温度だ。ぬるま湯につかってるみたいな外気だぜ~~~~~~テンション上がるなぁ~~~~~
本日はリザーバータンクに水4L、保冷剤1.0kgを突っ込んである。これならば水漏れも含めだいたい1時間ぐらいは持つであろう完璧な計算だ。
早速バイクに設置してスイッチオン。
ああ^~~~~~水中ポンプツインドライブが体の中を駆け巡るぅ^~~~~と思いきや片方からしか水が来ない(ガバ)クソッタレがセカンダリーポンプ止まってんじゃねーのか!?
どうやら排水用チューブを途中で合流し一本化させているせいで、片方のポンプだけを先に動かすと圧が逆流しもう片方の水流を押し戻しているくさい。あっ!これエキゾーストパイプの排気干渉で見たやつだ!
色々やってみるとスーツ内のチューブに水を満たした状態で、それぞれのポンプをタイミングよく始動させてやれば水は無事循環を始めるようになった。
ようやく氷水が全身を駆け巡り初め生き返るわぁ^~~~早速走り出そう。
ハッ…ハッ…アッー!アーツィ!アーツ!アーツェ!アツゥイ! ヒュゥー、アッツ!アツウィー、アツーウィ!アツー、アツーェ! すいませへぇぇ~ん!アッアッアッ、アツェ!アツェ!アッー、熱いっす!熱いっす!ーアッ! 熱いっす!熱いっす!アツェ!アツイ!アツイ!アツイ!アツイ!アツイ!アー・・・アツイ!
走り出してから30分後、そこには冷却水は減り保冷剤は溶け暑さにやられた緑色のザコが居た…
確かに走り出して15分ぐらいはキンッキンに冷えた冷却水が体をめぐり、上半身と首へ氷枕を巻いた様な冷たさで34度とは思えぬほどの快適な状況に余裕をぶっこいていた。
だが考えてみてほしい。水中ポンプが2台という事は流れる水量も2倍。冷却水の温まり方も2倍。ホースのつなぎ目から漏れていく水も2倍。
要するにものすごい勢いで保冷剤が溶けて水が温くなって水冷服の機能が喪失し死に至ったわけだ。
ともかくこれではいかんと急遽コンビニでかち割り氷パック1.1kgを怒りの全力投入。
これでまたキンッキンに冷えた氷水が体を巡回し始めて冷たさが戻ってきた。俺は無敵。
そして20分後。あれだけあった氷は消え失せ暑さにやられたザコが居た。
いかがだったでしょうか?いかがもクソもないんだよなぁ!?
水冷服テスト結果
まず敗因として気温34度の中ではリザーバータンクの容量6.8L+保冷剤1kgでも全く足りず、キンッキンに冷えるのはスイッチを入れてから最初の15分だけで持続時間が短すぎる。
制作から2年立ちホースのつなぎ目が緩くなっているのか水漏れが多いのもマズかった。水漏れ自体は冷たくて気持ちよくそのままにしていたのだが、想像以上の速度で水が減ってしまい結局は冷却水不足で温くなってしまった。
まとめると体を冷やす能力は十分だけど水と保冷剤が全く足りんと言う話だな。
例えば20L~30Lぐらいのクーラーボックスに山盛りの氷を浮かべて水冷スーツを運用すれば、持続時間も長く1時間は快適なまま居られると思う。しかし流石の当職でもそこまでやるぐらいなら、AC100V出力のモバイルバッテリーとスポットクーラー積んで走ったほうがまだ現実的なんだよなぁ…
総評
水中ポンプツインドライブいる?(企画倒れ)
ポンプ2台はよく冷えるけど冷却水の消耗が激しく、ポンプ1台のver2の方が冷え方と持続時間のバランスが取れている感じがあった。ガンガン水を循環させても外気温に温度を奪われてしまいかえって効率が悪いのかもしれない。
何事もバランスが大事である。